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風の音づれ Vol.117 「命のつながり」にふれる貴重な体験~カブトムシの飼育を通して~

 開智所沢小学校のある埼玉県所沢市は、雑木林が多く残る自然豊かな地域です。そのため、子どもたちに大人気のカブトムシやクワガタムシがたくさん生息しています。

 

昨年度、所沢市内で採集したカブトムシが学校で産卵し、その卵から孵化した幼虫は、児童の手によって大切に育てられてきました。幼虫は成長を続け、3令幼虫を経て蛹(さなぎ)へ、そしてついに今、羽化(うか)を迎えています。

 

子どもたちは蛹がわずかに体を動かす様子に驚いたり、幼虫から蛹へ変わる過程にどんな変化があるのかを話し合ったりと、生き物の不思議に目を輝かせています。「中でどんなふうに変わっているのかな?」「一度ドロドロになるって聞いたことがある!」など、それぞれに仮説を立て、活発に意見を交わしています。

また、羽化したばかりの成虫は羽の色が白っぽく、その後時間をかけて黒く変化していく様子を、じっと観察する子も多く見られました。生命の神秘に触れるこの瞬間は、子どもたちにとって大きな学びとなっています。

 

昨年度は100匹以上の幼虫が育ちました。学校で飼育する分を除いた幼虫を児童たちに配布したため、今は「うちのカブトムシが成虫になったよ!」という報告が届くのを楽しみに待っているところです。

 

現在、成虫になったカブトムシたちは、室内クラブの児童たちが中心となって大切に管理する予定です。休み時間には低学年の子どもたちも訪れ、興味津々で遊んでおり、異学年交流のきっかけにもなっています。

 

自然とふれあい、命の尊さを学ぶ――そんな貴重な体験が、子どもたちの心を豊かに育ててくれると信じています。