新着情報

風の音づれ Vol.145 Japanese New Year Fes ~世界と出会い、また日本を知る〜

<世界の「節目」を比較する>

 現在、2年生の探究学習では、”Who we are”(私たちは誰なのか) というテーマのもと、「環境や文化の違いによって、人々が共通の節目を祝う方法は変化する」について学習を進めています。

 これまでに子どもたちは、チリのディエシオチョや中国の春節など、世界各国の多様な「節目」の祝い方について、ゲスト講師の方々から直接お話を伺ってきました。環境が違えば、込められる願いも、お祝いの形も異なる。その Perspective(視点) を広げた子どもたちが次に取り組んだのが、自分たちが生きる「日本のお正月文化」の再発見です。

 今回、子どもたちは、最も親しみやすく、その面白さを共有しやすい「遊び」を切り口として、アメリカ・中国・オーストラリア・ニュージーランドなど様々な文化的背景を持つ英語教員に、日本の冬の文化を発信する発表会を開催しました。

 「正月遊び」という没入できる内容に取り組んで、子どもたちはIBの主要な理念であるAgency(主体性) を強く発揮しました。Agencyとは、学びに対してオーナーシップ(当事者意識)を持つことです。「どうすればネイティブの先生に伝わるかな?」「この面白さを共有したい!」という自発的な意欲が、発表の準備から本番まで、子どもたちを突き動かしていました。

 発表会では、3つのグループが順番に登壇し、実演を交えながら日本の伝統を紹介しました。

 

①独楽(こま)グループ

小さな接地面で回り続ける独楽の仕組み(Form)を解説しました。実際に回して見せるだけでなく、先生にも体験してもらい、紐の巻き方を英語でレクチャー。こま回しの技術に心から真剣になる子どもたちの姿には、これからの日本の伝統文化を受け継いで行く「責任(Responsibility)」すら感じられました。

②おせち料理グループ

一品一品に込められた願い(Function)を、自作のイラストを使って視覚的に解説しました。「なぜ海藻(こんぶ)を食べるの?」といった教員からの質問に対しても、これまでのリサーチを活かして、自分の言葉で懸命に応答しようとする姿が印象的でした。

 

③福笑いグループ

目隠しをした教員に対し、子どもたちは手渡すパーツが顔のどの部位なのか(Eye, Nose, Mouth…)を英語で一生懸命伝えます。正しく伝わった喜びと、完成した顔の面白さに、会場は大きな笑いに包まれました。まさに、言葉を「道具」として使いこなし、文化を共有する「Communicator(コミュニケーションができる人)」としての姿がありました。

 ネイティブの教員と一緒に日本のお正月を体験する中で、子どもたちは「当たり前」だと思っていた自分たちの文化が、実は独自の工夫や願いが込められていることに改めて気づいたようです。

 

 文化を比較することで、自国の独自性を再発見する。自分たちのルーツに誇りを持ち、それを堂々と他者に伝える。そんなグローバル・シチズン(世界市民)としての頼もしい一歩を見ることができました。この発表会で得た確かな手応えは、これからの探究をさらに深めていく大きな原動力となるはずです。