風の音づれ Vol.116 スポーツフェスティバル開催

朝の雨が上がり、青空のもと、晴れやかな表情の子どもたちが登校してきました。6月1日(日)、第2回スポーツフェスティバルが、開智所沢小学校自慢の天然芝と人工芝のハイブリッドグラウンドで開催されました。これは、すべての関係者が夢見てきた場所での初めての開催でもありました。
【開会式】
全校児童が整列しても、まだ余裕があるほど広々としたグラウンド。その本部テントには、司会進行を務めるスポーツフェスティバル実行委員の5年生たちが集まっています。
「おはようございます!」
開校当初、4年生として編入してきたころの姿からは想像もつかないほど、堂々とした声で会場の空気を一変させたのは、開会式の代表スピーチを務めた児童のひとり。その締めくくりは、「みなさん、威風堂々と頑張りましょう」の一言。今日一日の責任感を体現した、素晴らしいスタートとなりました。

【2年_運べ!元気玉!】
はじめて観戦した人には、一見ただの大玉転がしに見える2年生の学年競技。そこにはスポフェスを盛り上げんとする2年生の工夫が盛りだくさんです。まず、台に載せた大玉を数人の児童が押し進め、コーンを回ってバトンタッチと思いきや…
「かめはめ波~!」
台の後ろに並ぶ仲間に掌をかざし、大玉が通る道をあけます。反対側のコーンを回ったら、黒子の6年生と協力して大玉を持ち上げ、神輿のように大玉が頭上を送られていきます。学年の全員がかめはめ波を習得するのにどれほどの修業を要したのか想像もつきませんが、会場のボルテージが一気に跳ね上がりました。
https://drive.google.com/file/d/1Pdeqsq5CEWlkBYDviGi3daIc_HtHAyPC/view?usp=sharing
【1年_玉入れ】
今年の玉入れには、なんと4体の伝説のポケモンが登場!それを捕まえようと、1年生のトレーナーたちがモンスターボールに見立てた玉を次々と投げ込みます。しかし、そこに立ちはだかるのは、邪魔棒を持った上級生たち。狙いを定め、真剣な表情で投げ続ける1年生たちの姿に、観客の応援にも力が入ります。終了の合図が聞こえないほど、全員が夢中で取り組みました。

【6年_2人3脚】
6年生の競技は、一気に雰囲気が変わり、仲間との絆が試される二人三脚。スタートの合図と同時に、圧倒的なスピードで飛び出したペアが、あっという間にコーンを往復してバトンタッチ。会場はどよめきに包まれました。
この競技は速さだけでは勝てません。足並みが揃わなければ前に進めず、転倒してしまうペアも続出しました。最後には、男女それぞれが全員横一列になりゴールを目指します。「がむしゃらに走る」だけではなく、声を掛け合い、気持ちをひとつにして進む姿に、心を打たれました。
「えっほ!えっほ!」
男子アンカー全員による力強い掛け声とともに、ゆるぎない安定感で進む姿からは、仲間を信じ合う気持ちが伝わってきました。

【3・4年_ムカデ競争】
一列縦隊で足を結んで進むムカデ競争。2人3脚同様、足のリズムと歩幅が揃わないとなかなか前進できません。どのムカデも小刻みに足を動かしながらなんとか次のムカデの待つゴールラインを目指します。しかも、今年のムカデ競争は一筋縄ではいきません。前のムカデが到着したのもつかの間、大急ぎで足の結び目を外し、次のメンバーに託さなければなりません。まるでF1のピットインさながら、ムカデとしての走り以上にここでもタイムに差が出てしまいます。観客はハラハラしながら各チームのムカデを見守りました。
【5年_障害物競走】
大きなグラウンドのトラックを目いっぱい使い、全5年生が2種類のコースを分担してリレー形式で臨みました。第一のコースではまずテニスボールをラケットで運びます。審判が厳しく目を光らせる中、確実にボールを到着地点のカゴにおさめる必要があります。次に平均台をカニ歩きで進みます。敢えてコーナー終わりに設置された平均台に大苦戦。落下した子はその場から再スタートして次の走者にバトンならぬアームリングをパスします。第二のコースではフラフープ縄跳びのように駆け足跳び10回フラフープの駆け足跳びです。最低10回跳んでから、コーンにフラフープをかけます。駆け足跳びで進んでいく児童や、その場で10回跳びきってから全力疾走でコーンを目指す子など、それぞれが個性や長所を活かした戦略を見せてくれました。最後に設置されたハードルを二つくぐったらようやくコースを1周できました。楽しく盛り上がりつつも勝利にこだわり必死に走る5年生。スポフェスでは競技の合間で備品を設置したり、各競技中に実況中継をしたり、ホームの下級生に次の集合場所を指示したりと、運営のための黒子として走り回ってくれる5年生にとって、自分のためだけに目いっぱい競技に打ち込める貴重な瞬間となりました。
5年生の競技の黒子を務めてくれたのは唯一の先輩、6年生。カゴまで運ばれたテニスラケットや、コーンに投げ込まれたフラフープをすぐに初期配置にもどす必要があります。5年生は1人1度走っただけですが、障害物競走のサポート担当の6年生はレース開始から終了まで、1人の係員が何往復も備品を運搬してくれました。各競技が滞りなく盛り上がりを見せる裏には、上級生による目立たぬ努力が不可欠です。
【Wing対抗_ダンスバトル】
開智所沢小学校の児童の多くが何よりも楽しみに待ち、多くの時間をかけて練習してきたのがこのWing対抗ダンスバトルです。各Wingの5年生が選曲から振付を工夫して進めます。発表前にはホーム長からあいさつと激励の一言。「たいけい移動にこだわりました!」「はじめはバラバラだった仲間が一つにまとまりました!」「参考動画を敢えて見ずに、すべての振付を自分たちで考えました!」
「がんばるぞー!」「「「おー!!!」」」
2か月間の苦労の思い出と本番への熱い思いがこもったスピーチに呼応して、座っている在校生にも気合が入ります。楽曲は以下の通りです。
・B Wing『怪獣の花唄』・C Wing『ケセラセラ』・D Wing『夜に駆ける』・A Wing『Try Everything』
Wing対抗_ダンスバトルの結果は保護者の投票で決まります。多くの児童が結果を待ちきれずにソワソワと過ごしていました。
【全校ダンス】
最後は全校児童がトラックに大きな円を描き、一つの振りつけを踊ります。すべての競技を終えた充実感と保護者の目の前で踊る緊張感の入り混じって何とも言えない雰囲気の中、『勇気100%』『ライラック』の2曲が響き渡ります。いざ曲が始まってしまえばこちらのもの。児童たちは水を得た魚のように本来の姿を取り戻し、目いっぱい手足を伸ばして、表現に全力を尽くします。


【終わりに】
こうして、第2回スポーツフェスティバルは大盛況のうちに幕を閉じました。
開智所沢小学校では、スポーツフェスティバルもまた「探究の共同体」としての取り組みの一環です。個人で競う徒競走ではなく、チームワークが求められる競技を中心に構成された1日でした。
真剣に取り組む中で意見がぶつかることもあれば、思うように進まないこともありました。それでも、子どもたちはお互いの声に耳を傾け、力を合わせて乗り越えました。
明日はゆっくり休んで、また明後日から、探究の日々が続いていきます。