新着情報 開智所沢小学校 > ブログ > Croquis No.25 ~一日一日をたっぷりと 新着情報 新着一覧 お知らせ 入試情報 ブログ Croquis No.25 ~一日一日をたっぷりと 2026.01.12 年明け早々、厳しい寒気に覆われた関東平野で、2日の夕刻から夜にかけて初雪が記録されました。秩父市の三峰神社では、降雪や凍結によって県道が通行止めとなり、130人もの初詣客が境内の建物や駐車場で一夜を明かしたとのこと。私はちょうど故郷に帰省中でその実感はありませんが、さいたま市あたりでは数㎝の積雪が記録されたようです。開智所沢小学校の仕事始めは1月6日でしたが、まだ学校周辺には2日の雪がその名残をとどめていました。 畑や土の地面に降った雪が、朝晩の厳しい冷え込みによって融けきることなく残っています。「…雪は 一度 世界を包んでしまうと/そのあと 限りなくふりつづけねばならない/純白をあとからあとからかさねていかないと/雪のよごれをかくすことが出来ないのだ。…」誠実でありたいと願う心が自らを欺き続けることになる人間の哀しさをうたう詩人・吉野弘の『雪の日に』の一節です。街に降る雪は確かに、無数の靴やタイヤに踏まれてたちどころに汚れていきますが、畑の雪というのはこんなにも清らかに残るものなのですね。 1月5日が寒の入りということで、一年のうちで寒さが極まる時期にさしかかっています。始業式に登校する子どもたちは橋の上でしばし足をとめて、薄い氷が張った東川の冬景色に見入っていました。地元のタクシーの運転手さんは、以前は東川の水量がもっと豊かで、サクラタウンのあたりでもよく鶺鴒などの姿を写真に収めたものだと懐かしんでおられましたが、水量が心細くなった分、川面が凍る朝も多くなっているのでしょう。 小学校の卒業を控えた6年生の教室に、児童一人ひとりの新年の抱負としての漢字一文字が貼り出されていました。12年一貫校ということもあり、現在のクラスの仲間たちと離れる淋しさというよりも、むしろ新たなステージへと進んでいく前向きな気持ちが、各々選んだ一文字にも表れているように思います。 開校2年目にして、初めて送り出す卒業生ですので、残された三学期の一日一日を、たっぷりと愛おしみながら過ごしてほしいと願います。「…きょう一日を、よろこび、努め、人には優しくして暮したい。青空もこのごろは、ばかに綺麗だ。舟を浮べたいくらい綺麗だ。山茶花の花びらは、桜貝。音たてて散っている。こんなに見事な花びらだったかと、ことしはじめて驚いている。何もかも、なつかしいのだ。…」太宰治の短編『新郎』の冒頭に、こんな一節があります。太宰はこれを、昭和16年12月8日の太平洋戦争開戦の報に触れながら書いています。日常の平穏な生活にも限りがあるということを、予感していたのでしょう。 さて、昨年もこのブログで、私がお正月の年賀状のために描いた絵をご紹介致しました。そもそもこの校長ブログの表題であるクロッキー(croquis)とは、人物や動物など動きのある対象をつかまえてごく短時間で描く、絵画制作のためのいわば訓練のことです。今年は、立冬近い鎌倉の風景を描きました。拙い作品ではありますが、訓練の一過程として、ご笑覧頂ければ幸いでございます。 開智所沢小学校 片岡哲郎