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風の音づれ Vol.136 6年生FW 第4次産業×SDGsの学びを深める

6年生は11月5日(水)~7日(金)の2泊3日で調布、筑波、柏の葉へFW(フィールドワーク)に行ってきました。

 

フィールドワークの様子をお伝えする前に、6年生の探究についてご紹介します。

 

6年生は「第4次産業」を年間テーマとして探究しています。第4次産業とは、AIやロボットなどの最先端技術を使って新しい価値を生み出す産業のことです。

 

これまで6年生は、卒業論文の執筆をゴールに探究を続けてきました。卒業論文制作を通してSDGs(持続可能な開発目標)に掲げられている社会課題を知り、その課題を第4次産業の力でどのように解決していくか、そして自分たちにできるアクションは何かを考えています。

 

今回のFWでは、最先端技術やAIを活用した技術を研究・紹介する施設やそれらを実施に活用している街を、3日間で計6カ所訪問しました。そしてどのような技術の開発・活用がされているのかを自分たちの目で確かめにいきました。

 

それでは以下、フィールドワークの様子をお伝えします。

 

【1日目】

1日目は、NTT e-City Laboと日本科学未来館を訪れました。

 

①NTT e-City Labo

人口減少や災害時の支援、地球温暖化などの問題を解決するための技術を見に行きました。

生ごみを利用してガスを生み出すバイオガスプラントや、空気から飲料水を生成する空気製水器、建物のひび割れ点検をするドローン技術などを見学しました。子どもたちからは「残飯をエネルギーに変えられるのは環境に優しいね」「ドローン、かっこいい!」といった声があがりました。

②日本科学未来館

各国・地域のCO₂排出量の現状や、植物からプラスチックを作る研究などについて学びました。模型を触ったり、映像を見ながら問題に取り組んだりして学ぶことができました。

 

豪華な夕食を食べた後は振り返りです。学びっぱなしではなく、1日の学びを皆で振り返って2日目につなげていきます。まず以下4点について個人で整理しました。

 

1.見学した施設に関連するSDGsは何か

2.学んだSDGsの取り組み、そこで働く人たちの想い

3.自分のSDGsテーマとのつながり

4.学んだこと・もっと知りたいこと・疑問に思ったこと

 

次にXチャートを使って学んだことをグループでシェアしました。

「給食の残飯もバイオガスプラントでエネルギーに変えられるのではないか」「ドローンやAI技術によって人手不足を解消できるのではないか」といった気づきが生まれていました。

【2日目】

2日目は、3つの施設を訪れました。

 

③筑波実験植物園

国立科学博物館として植物の多様性を知る・守る・伝えることを大切にされていることを知り、絶滅危惧種の保全の話にも熱心に耳を傾けていました。

 

晴天のもと広い芝生でお弁当を食べた後、鬼ごっこがはじまりました。体を動かして思いっきり遊んでいました。

次は筑波宇宙センターとサイバーダインスタジオです。

④筑波宇宙センター

宇宙での通信技術や宇宙環境で起こる体の変化を利用した医療の研究などについて学びました。

⑤サイバーダインスタジオ

最新技術が搭載された医療用・介護用の身体装着ロボットを体験しました。

装置を順番に腕に装着し、「腕の筋肉を動かすために脳から神経に送られる信号」を使って、ロボットの脚部分を動かす仕組みを体感しました。どの子どもたちも興味津々で取り組んでいました。

2日目の振り返りでは、2日間の学びをまとめました。

 

Xチャートを完成させた後、見学した施設に共通して言えることや、中心概念(セントラルアイデア)をグループで考えました。これは、具体をもとに抽象的な概念を導き出す、やや高度な課題です。

今回のフィールドワークのキーワードは「第4次産業」と「SDGs」。

 

子どもたちは悩みながらも真剣に考え、

「第4次産業は、SDGsの解決に必要不可欠な技術であり、日々進化・発展している」、

「第4次産業はSDGsを解決するために貢献している」といった意見が出されました。

第4次産業がSDGsの解決と深く関わっていることをしっかりと捉えていました。

 

さらに、見てきたことをもとに新たな技術のアイデアも出し合いました。

たとえばNTT e-City Laboで見た空気製水機について、発展途上国に届ければ「安全な水の確保」や「児童労働の改善」、さらには「教育の格差是正」につながるのではという意見も出ていました。

【3日目】

最終日は、柏の葉スマートシティでAIなどの最先端技術を使ったまちづくりの現場を見に行きました。

⑥柏の葉スマートシティ

公・民・学が連携して取り組む次世代のまちづくりについて、実際に街を歩きながら学びました。ナッジデザインや自動運転バスの走行中給電装置など、人と技術が融合した街の姿に、子どもたちは驚きと関心を持って見学していました。

午後は以下の4つのテーマに分かれ、自身のSDGsテーマに近い分野について探究を深めました。

A.自然湧水体験

B.植物工場ラボ

C.気候変動ラボ

D.生態系ウォーズ

最後の振り返りでは、AIとiPadを活用し、自分たちの学びを学年全体に共有しました。

 

これからは、自分にできることを考える「アクション」へとつなげていきます。

 

今回の学びをもとに「自分のSDGsテーマ解決とどうつながるか」「自分にはどんなアクションができるのか」を考え、卒業論文のまとめに入っていきます。卒業論文制作を通して、「世界の人々や文化を理解・尊重し、平和で豊かな社会を創るために貢献できるリーダー・スペシャリスト」として成長していくことを期待しています。