新着情報 開智所沢小学校 > ブログ > 風の音づれ Vol.134 4年生~2泊3日の「ものづくり」探訪記~ 新着情報 新着一覧 お知らせ 入試情報 ブログ 風の音づれ Vol.134 4年生~2泊3日の「ものづくり」探訪記~ 2025.11.04 突発的な寒気に列島が包まれた10月22日(水)から24日(金)までの2泊3日、本校の4年生が、長野県・諏訪地域を中心にフィールドワーク(FW)を実施いたしました。FWは、年間探究という探究の授業の一環で行いました。今年の4年生の年間探究のテーマは【人々は( )を通してものづくりに取り組み、社会に価値を届けている】というもの。様々なものづくりの現場に触れながら、( )に当てはまるモノ/コトを考えることが今回のFWのミッションです。授業で立てた仮説を、本物の「現場」で確かめる。職人さんや技術者の方々の「生の声」を聞く。そして、仲間と「なぜ?」「どうして?」を議論し、自分たちなりの答えを見つけ出す。 この3日間は、児童たちにとって知的好奇心を刺激される場面の連続でした。教室では見ることのできないほどの情熱的な眼差し、主体的に学びに向かう探究心溢れる姿が見られました。【1日目:10/22(水)】 縄文の「こだわり」に触れるあいにくの雨に見舞われた出発となりましたが、児童たちは「いよいよ始まる!」と、バスの中から期待に満ちた表情を見せていました。 初日の探究の舞台は、八ヶ岳の自然と文化に触れられる「八ヶ岳自然文化園」。そして、この日のメインとなる「茅野市尖石縄文考古館」です。 ここでは、国宝「縄文のビーナス」と「仮面の女神」という、本物の土偶を目の当たりにしました。 「本当にこれが何千年も前のものなの…?」 「この模様、どうやって付けたんだろう…」 ガラスケース越しに食い入るように見つめ、その造形や質感から、当時の人々の息づかいを感じ取ろうとする真剣な眼差しが印象的でした。 続く「土器づくり体験」では、児童たちの探究心が「創造力」へと変わりました。 「縄文の人は、どうしてここに模様をつけたんだろう?」「僕は『使いやすさ』にこだわりたい」「私は『見た目の美しさ』を表現したい」 粘土の感触を確かめながら、それぞれが考える「こだわり」を形にしようと、時間いっぱいまで夢中で土と向き合っていました。まさに、ものづくりの原点に触れた瞬間です。 続く「土器づくり体験」では、児童たちの探究心が「創造力」へと変わりました。 「縄文の人は、どうしてここに模様をつけたんだろう?」「僕は『使いやすさ』にこだわりたい」「私は『見た目の美しさ』を表現したい」 粘土の感触を確かめながら、それぞれが考える「こだわり」を形にしようと、時間いっぱいまで夢中で土と向き合っていました。まさに、ものづくりの原点に触れた瞬間です。 ホテル到着後の「ふりかえり」では、早速グループディスカッションが白熱しました。 「縄文土器の『こだわり』って、今の『付加価値』とどう違うんだろう?」 「ただ使うだけじゃない『何か』があるよね」 1日の学びを即座に言語化し、多角的な視点を共有しようとする意欲的な姿に、翌日からの学びへの期待が一層高まっている様子でした。 【2日目:10/23(木)】 伝統から最先端へ。「技」の進化を探る FW2日目は、バスの号車ごと、そして午前と午後で入れ替わりながら、諏訪が誇る2つのミュージアムを巡りました。 「岡谷蚕糸博物館」では、日本の近代化を支えた製糸業の歴史と技術に迫りました。 児童たちは、実際に繭から糸を巻き取る体験に挑戦。繊細な糸が切れないよう、慎重に、しかし集中して取り組む姿が見られました。 そして、この探究学習のハイライトの一つが、作業中のスタッフの方へのインタビューです。 「その『東繭(あずままゆ)』って、普通の繭と何が違うんですか?」 「一番難しい作業は何ですか?」「どんな思いをもってこの仕事をしているんですか?」 展示を見るだけでは飽き足らず、働いている「人」に直接疑問をぶつけ、最新の地層標本についても熱心に説明を求める姿は、「探究者」そのものでした。 [写真:作業中のスタッフに、身を乗り出して質問する児童たち] もう一方の「エプソンミュージアム諏訪」では、世界をリードする精密技術の世界に触れました。 「えっ、最初は味噌蔵から始まったの!?」 「こんなに小さな部品が、時計を動かしているんだ…」 セイコーの歴史から最新のプリンター技術まで、精密な「ものづくり」の進化をたどり、技術者の情熱や工夫に驚きの連続でした。 ホテルに戻ってからの「ふりかえり」は、このFWの集大成となる発表の準備です。 「岡谷の『伝統』とエプソンの『最先端』、どっちも『工夫』があったよね」 「私たちが考える『ものづくりの本質』って何だろう?」 グループごとに大きな模造紙を広げ、2日間の学びで気が付いた「ものづくりの本質と付加価値の工夫」について、意見を交わし、模造紙に書き込んでいきます。夜遅くまで、熱のこもった議論が続いていました。最後には模造紙を掲げ堂々と発表し、「ふりかえり」を締めくくりました。ただ現地に行くだけでなく、そこでの体験をすぐ学びに昇華し、それを一番楽しんでいる児童の様子こそ本校のFWの一番の特色です。 【3日目:10/24(金)】 現代に息づく「プロの現場」を体感 いよいよ最終日。前夜に深めた「ものづくりへの問い」の答えを探しに、現代の「プロの現場」へと向かいました。 1号車は「株式会社みやま」様、2号車は「株式会社キッツ」様をそれぞれ訪問しました。[写真:工場の前で、元気よく挨拶をする児童たち] 工場で実際に稼働する巨大な機材、緻密に管理された生産ライン。その迫力に、児童たちは目を輝かせます。 そして、何よりも児童たちの心を掴んだのは、そこで働く「プロ」の方々のお話でした。 「どうしてこの仕事を選んだのですか?」 「製品を作る上で、一番大切にしている『付加価値』は何ですか?」「難しい作業を行うときに意識していることはありますか?」 自分たちの探究テーマに直結する鋭い質問が次々と飛び出します。一つひとつの質問に真摯に答えてくださるプロの言葉から、仕事への誇りや情熱を肌で感じ取っていました。探究活動の最後を締めくくるのは「ガラスの里」での体験です。 職人さんが息を吹き込むと、熱せられたガラスが柔らかく形を変えていく様子に「おぉー!」と歓声が上がります。児童たちも、職人さんのサポートを受けながら、炉を覗き込んで熱いガラスを至近距離で目の当たりにする貴重な体験をさせていただきました。 [写真:職人さんと一緒に、真剣な表情でガラスに息を吹き込む児童] そして、昼食は美味しいカレー。仲間と3日間の体験を笑顔で語り合う、素敵な時間となりました。 あっという間の3日間。帰りのバスでは、疲れの中にも、学びきった充実感と達成感が満ち溢れている様子でした。 まとめ 「本物」に触れ、「本気」で考え、「本音」で議論した3日間。 縄文の「こだわり」から、製糸業の「伝統」、精密技術の「革新」、そして現代の工場の「情熱」まで。児童たちは、時代や形は違えど、すべての「ものづくり」に通底する「人の思い」や「工夫(=付加価値)」の重要性を、身をもって学んでくれたことと思います。このFWで得た「自ら問いを立て、探究する力」は、教室に戻ってからの学習、そして児童たちの未来を生きる大きな力となるはずです。最後になりましたが、本FWの実施にあたり、お見送り・お出迎えいただいた保護者の皆様、お忙しい中にもかかわらず児童たちを温かく迎え、熱心にご指導くださった各見学先・宿泊先の皆様、3日間安全に全員を輸送してくださった運転手のお二方、そして安全な旅を支えてくださった多くの方々に、学校として心より厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。 ここに見出しテキストを追加